• yasuyo

ほんの少しの

先日の朝ドラのエールで主人公の裕一が藤堂先生にかけてもらっていた言葉に

なんとも生徒を見逃さない愛情を感じました。


人よりほんの少し努力するのが辛くなくて、

ほんの少し簡単にできること。

それがお前の得意なものだ。

それが見つかれば、しがみつけ。

必ず道は開く。


小さなころから得意な事をずっと続けている人のお話を聞いていると小学生の頃に先生や

親など誰からかのエールを受けている人がたくさんいます。そして皆さん何でもできる万能

タイプではない気がします。世間からみると不器用で偏っている子に見えるかもしれませんが、

それが個性であり愛おしさだと自信をもって背中を押してくれる大人たちがいるのです。

ただ闇雲に声掛けをすればいいという事ではきっとないはずです。その子に響くタイミングが

必ずあって大人たちはそのタイミングを見逃さないように静かに見守っているのです。




そんな大人たちもきっと子どもの頃に背中を押してくれる誰かがいたのではないでしょうか。


茨木のり子の詩


  汲む  -Y・Yに-    大人になるというのは   すれっからしになることだと   思い込んでた少女の頃

  立居振舞の美しい   発音の正確な   素敵な女のひとと会いました   そのひとは私の背のびを見すかしたように   なにげない話に言いました

  初々しさが大切なの   人に対しても世の中に対しても

  人を人とも思わなくなったとき   堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを   隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました   私はどきんとし   そして深く悟りました

  大人になってもどぎまぎしたっていいんだな

  ぎごちない挨拶 醜く赤くなる   失語症 なめらかでないしぐさ   子供の悪態についてさえ傷ついてしまう   頼りない生牡蠣(なまがき)のような感受性

  それらを鍛える必要は少しもなかったのだな   年老いても咲きたての薔薇 柔らかく   外にむかってひらかれるのこそ難しいあらゆる仕事   すべてのいい仕事の核には   震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・   わたしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました   たちかえり   今もときどきその意味を   ひっそり汲むことがあるのです








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