気球に乗れるチャンスは初日の夕方、二日目の早朝か夕方、三日目のウランバートルに戻る日の早朝のどれか。日中は風がそよそよと吹いていたのでこれぐらいなら飛べるのかな?と簡単に思っていたのですが、地上と上空とでは風の強さが違うらしく地上では無風の状態でなければならないそうです。朝夕の気温が下がり大気が安定した時を待ちます。
初日からチャンスに恵まれて乗馬から帰ってきて休憩した後に気球に乗ることができました。
ガスバーナーのような機械と扇風機を使ってゴォーゴォーと大きな音をたてながら気球に熱気を吹き込みます。まるで風船のように少しずつ膨らんでいき立ち上がりました。私たちを乗せた気球は静かに地上を離れてキャンプが小さくなりどんどん上がっていきました。行先は風に任せて上空にふわぁと飛んでいきました。
モンゴルの草原を見下ろして何を思うのでしょうか。私は目の前に広がる景色を素直に言葉に出していました。広いね。青いね。川がくねくね曲がっているね。3歳の子どもが言うような言葉でした。どこまでも続く草原、川、空を見ていると草も牛もどんどん小さくなり見えなくなりました。分かってはいたけれど私は小さい。そう粒の一つなのだと。
操縦士が風を読みながら1時間近く浮遊してくれ、迎えに来てくれるトラックと連絡をとりながらゆっくりと着陸しました。トラックの荷台に乗ってきたスタッフさんたちが気球を折り畳み片づけた後、籠と一緒に私たちも荷台に乗せてくれてキャンプまで戻りました。。交通ルールとかあまり無いでしょうか。帰りのトラックが一番怖かったです。
草原を行く ⑤